衛生管理(HACCPの義務化)って難しいですか?
確かに、衛生管理(HACCPの義務化)で「何をどこまでやればいいか」という具体的方法を難しく感じる方は結構たくさんいます。HACCPの義務化については、インターネットや公的なものも含めて情報があふれているけれど、発信者や専門家によって言ってることが異なったりします。
例えば、「HACCP対応の設備でないと営業ができなくなる」という大きな話題から、「爪ブラシは使ったほうがいいのか」とか「トイレのフタは閉めて流したほうがいいのか」などの小さな論争まで、さまざまな情報が皆さんの元に届いていると思います。
その中のどの情報が正しくて、どの情報が間違っているのでしょうか。
情報の正しさを判断するためにはどんなことを学べば良いのでしょうか。
実は、食品の衛生管理について、体系的に学ぶ機会は意外と少ないのです。
調理師や製菓衛生師などの専門学校で体系的に学ぶ機会はありますが、それらの専門学校に通っていない方は、保健所の講習会・食品衛生責任者の養成講習会くらいでしか学ぶ機会がありません。
一方で、法律はどんどん変わり、食品を巡る環境は大きく変化しているので、食品衛生に関する知識をアップデートする必要があります。
HACCP義務化の具体例を学んでください。
オンライン食品衛生ラボは、HACCPの義務化に関する情報を「具体例をもとに」レクチャーします。
具体的には、法律改正などの食品衛生行政に関する情報やHACCP義務化が「難しい」「面倒くさい」「ついつい後回しにしちゃう」と感じている誤解を解く方法、食中毒予防や皆さんの業界を盛り上げるためのプロジェクトなどの情報発信をしていきます。
HACCP義務化に対応=誰に見られても恥ずかしくない職場にするために
食品の調理製造に携わるみなさんのほとんどは、「衛生管理」をとても大事に考えていらっしゃいます。製造業の営業担当はお客さんに対して、堂々と「ウチの工場は衛生管理はバッチリです。安心して買って下さい。」と言いたいはずです。
飲食店のスタッフも、自分たちの職場の衛生面がしっかりしていてこそ、「自分の仕事・店にプライドを持てる」はずです。
みなさんが調理製造している食品は、「美味しくて、安い」ということも大事ですが、「安全」「衛生的」であることが大前提であることを、みなさん自身が一番よくわかっていらっしゃるのです。
「明日、保健所や取引先からの立入検査がある」と聞くと皆さん何を思い浮かべますか?
一方で、現実はそんな簡単にはいきません。「保健所や取引先からの立入検査がある」と聞くと、皆さんの頭の中にはどんなことが思い浮かぶでしょうか?
・掃除ができていない
・見られたくない
・カビが生えた天井やゴミ箱
・社内ルールに違反した作業手順
・壊れたままの機械
・どのスタッフも守らないルールと記録・・
などなど、職場の見せたくない場所が走馬灯のように頭に浮かんでくるはずです。
HACCP義務化で目指すべきゴール
まず、みなさんに目指していただきたいゴールは、「HACCPの実施記録が75%以上、当日または翌日までに記入されている」状態です。
この状態になれば、保健所から指摘を受ける可能性はグッと少なくなります。
9割以上になれば取引先やスタッフからも信頼が得られるでしょう。
そして、毎日、しっかり記録できるようになれば・・、大手流通さんとも取引ができる準備ができ、その頃にはこのブログは必要なくなっているかもしれません。
「75%なんて低すぎでしょ?」と思った方
確かに、既にHACCP認証を受けている工場や、衛生管理に対する熱意をお持ちのあなたであれば、100%の記録ができていると思います。特に、CCPと呼ばれる「重要管理点」の記録は出荷される全ての食品に対して実施されていなければ、HACCPシステムが運用できているとは言えず不適切です。
しかし、ここで思い浮かべていただきたいことは、一緒に働く仲間のことです。あなたの職場で働く皆さんが全員、あなたと同じ高い衛生意識をお持ちでしょうか?
多くの場合は、記録を任せた部分の全てが完璧に記入されるまでには、何度も指導して意識を高めることが必要だったはずです。
また、あなたが長期で現場を離れた場合や別の部署に移動をして、確認できなくなった場合に今の100%の状態を維持し続けることはできるでしょうか?
「75%なんて低すぎでしょ」と思った方は是非、このブログやオンラインコースでスタッフの衛生意識を引き上げる方法や、限りのあるスタッフの集中力をどこに向けることが最も効率がいいのかのアイデアを、この講座の具体例から学んで下さい。
「そもそも記録なんて多分できない・・」と思った方
「『実施記録を当日または翌日までに記入』なんて、面倒くさくてやりたくないし、スタッフだってやらないよ。」と思う方もいるかも知れません。
確かに、なかなか記録する習慣は定着しません。私は、15年間HACCP導入を支援していますが、この記録の定着が一番苦労する場面です。
しかし、お金をかけなくても、人数が少なくても、二代目オーナーで先代のお父さんとスタッフが言うことを聞いてくれなくても、記録を定着させる方法はあります。
過去の私の100社以上の導入支援経験から、うまくいくコツのようなものがあることに気が付きました。
また、全くの知識のない状態からHACCPに沿った衛生管理をスタートするのと、既にある程度の衛生管理を行っている状態からスタートする場合では、スタッフや現場リーダーへのアプローチの仕方が異なります。もちろん、マネージャー(もしくはその候補)であるあなたが学ぶことも異なります。
それぞれのステージ・役割に必要な知識をつけていくことが大事です。
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ブログ運営者プロフィール
伊志嶺 哉(いしみね ちかし)
【経歴】
沖縄県および北海道を中心に活動する食品衛生管理の専門家
2006年7月に沖縄県内のカット野菜工場の米軍軍用規格(食品衛生/HACCP)認証(当時、日本マクドナルドについで2例目)の取得支援を行う。
厚労省HP「食品等事業者団体が作成した業種別手引書(温かい状態で販売する島豆腐)」作成委員
できるだけわかり易い言葉で説明するように心がけて、
「HACCPをやったほうが衛生管理が簡単になる」と思っていただけるように、日々努力しています。
1974年生まれ 1妻2娘1息子の5人家族
体重:89kg、身長:非公開(令和3年1月現在)
好きな動物:猫(気性の荒いアメショ風猫とちびの牛柄猫と別居中)
好きな培地:TSI半斜面培地(凄いから)、EMB培地(綺麗だから)
好きな微生物:bacillus属(一番厄介だから、無理矢理好いてます)
推しメン:豊福先生と高澤先生、土屋先生、田高先生、ブリアナ・ギガンテ嬢
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