このシリーズでは、「HACCP」を基礎から学ぶための知識を体系的に説明します。店長さんや料理長さんなど、衛生管理の責任者向けのコラムです!
【はじめに】HACCP義務化を理解する前に
食品の衛生管理については、食品を扱っている皆さんはいつも細心の注意を払って頂いているかと思います。
しかしながら、食品の異物混入や安全性に対する苦情や相談は、年を追うごとに増加傾向であることをご存じでしょうか。
あってはならない食品の事故は度々起こっており、それは大手メーカーであっても例外ではありません。
そのため、食べ物を実際に口にする消費者、つまりお客様は食品に対する不安から、「食品の安全性」に対して強い関心を抱いている背景があるのです。
食品の安全性が叫ばれる中、令和3年6月より原則として「全ての食品等事業者」が「HACCPに沿った衛生管理」を実施することとなりました。
このHACCPは法律で決められた義務であるため、「知らなかった」では済まされません。
この記事をご覧になっているということは、皆さんは食品の衛生管理に携わる方であり、HACCPがどのようなものであるのか興味を持っていらっしゃるかと思います。
この記事においては、HACCPを最短ルートで理解して頂けるように講座のような構成となっておりますので、一緒にHACCPについて学んでいきましょう!
【これがHACCPを理解するためのロードマップです!】
それではまず、HACCPを理解するための最短ルート、言わばロードマップを示していきたいと思います。
このロードマップを一つづつ、理解していくことで「HACCP」に必要な知識の殆どを身につけることができます。コツコツ丁寧に理解していきましょう!
迷ったらここに戻ってきて下さい。
これから私たちが学ばなければいけないのは、以下となります。
ステップ1 心構え(この記事)
それではそれぞれの項目について、簡単にご紹介していきたいと思います。
【ステップ1 心構え】
まず最初に学ぶ必要があるのが「心構え」です。
HACCPの存在意義を理解し、今までの衛生管理との違いを学んでいきます。
など衛生面における考え方をしっかりと学んでいくステップです。
他のスタッフに周知していかなければいけませんので、非常に重要なステップであると言えます。
・HACCPの目的とは何なのか?
・お客様は食品に対してどのような期待を持っているのか?
・そしてそもそも「安全な食品」とは何なのか?
これらの質問にしっかりと答えられるようになったら、このステップは合格だと言えます。
このあと、詳しく説明していきます。
【ステップ2 食中毒の加害者にならないために】
個人が衛生面において、どのようなことを知っておく必要があるのかを学びます。
いつも手洗いをしているかと思いますが、意外に正しい手洗いを実施している人は少ないので、改めて確認しておく必要があります。
【ステップ3 安全な食品の取り扱い】
食中毒を予防するための知識として、「食中毒予防3原則」があります。
食中毒は絶対に防がなければいけませんので、ばい菌を食材につけない方法やばい菌を増やさない方法などを知っておく必要があります。
【ステップ4 身の回りにいるばい菌の知識】
私たちの生活の中でばい菌はありふれた存在ですが、どのようなばい菌がいるのかを知っておかなければいけません。
いろいろな種類がありますので、知識として身につけておきましょう。
他にも、細菌やカビ、ウイルスが増える仕組みや、微生物を事前に見つける方法について学びます。
【ステップ5 正しい清掃】
いつも当たり前のようにおこなっている清掃ですが、正しい清掃はばい菌をやっつけるために有効な手段です。改めて正しい清掃の仕方を学び、食品の事故を未然に防ぐ必要があります。
【ステップ6 異物と薬品】
よくニュースでも取りだたされる食品の異物の混入ですが、異物の混入の何が怖いのかを学んでいきます。
また、薬品混入の具体的なケースやアレルギー被害、寄生虫による被害なども知識としておさえておく必要があります。
【ステップ7 まとめ】
【HACCP義務化教育】のコラム中で学んだことをまとめました。改めて確認しましょう。知識が身についているか確認するためのテストが中心になります。
要点を確認し学んだことを生かして、自信をもって HACCP を実施していきましょう。
全7回の「総まとめ」 HACCPの知識に自信がある人は、このコラムだけ見て、今一度知識を確認いただくだけでも良いと思います!
【ステップ1 まとめ】
これまでのステップで学んだことを振り返っていきます。
学びとは反復して学習することで身につき、普段の習慣に活かすことができるようになります。
中には当たり前だと思っている内容も出てきますが、再確認の意味合いもありますので、疎かにすることなく学んで頂きたいと思います。
それではステップ1「心構え」から順番に講座をスタートしていきましょう!
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